永く、桜島の女性が愛してきた椿油。灰の降る、活火山桜島という過酷な環境で、美しく、凛と咲いている椿の赤い花。そして、たくましく育った椿の実より良質なつばき油が丁寧に採られていきます。暮らしの中で、髪やお肌のお手入れに、手仕事の道具や、おいしい食卓のなかでも、日々、様々な場面で広く使われてきました。祖母から母へ、そして私へと、これからも、家族と暮らしのなかに桜島の知恵と恵みである椿油が巡り、受け継がれ続けていくように。SAKURAJIMA TSUBAKIは、現代に椿のある暮らしを提案し、未来へつなぐブランドです。
世界有数の活火山・桜島。2021年現在も、日常的に噴火を繰り返しています。
今からおよそ40年前、桜島の南岳の噴火活動が活発になり、降灰や火山性ガスによって農作物は甚大な被害をうけてきました。そんな状況でも、ヤブツバキは美しく赤い花を咲かせ、たくましく実をつけていました。ヤブツバキは桜島の過酷な活火山の環境に負けない強い植物だったのです。そこで、1980年代から自治体が桜島の環境に適するヤブツバキの苗を配布し、農家の方々は防風林のように畑の周りを囲むようにして苗を植えました。桜島には昔からヤブツバキが自生し、油が搾られていましたが、配布事業によって6万本以上の苗が新たに植えられて、さらにヤブツバキの本数が増えました。配布事業の時の苗は、現在樹齢30年〜40年ほどで元気の盛り。桜島の椿油の原料となる種子を大量に収獲することができます。
鹿児島県は、東京都、長崎県に次ぐ全国3位の椿油の産地で、鹿児島県で生産される椿の種子の半分以上は桜島産です。桜島産椿油の生産量はとても多いのですが、残念ながらほとんど知られていません。桜島では長い間、農家の方々が収獲した種をそれぞれ製油所で搾油してもらい自家消費していたため、ほとんど市場に出回っていなかったのです。そこで、私たちNPO法人桜島ミュージアムでは、桜島の隠れた特産品である椿油をより多くの方々に知っていただくために、2008年から椿油のブランド化事業に取り組みはじめました。弊社で取り扱っている椿油は、島内の農家の方々が収獲したヤブツバキの種のみを搾っているので、生産者の顔が見える商品として安心してお使いいただけます。桜島の椿油は昔ながらの製法で搾られており、きれいな黄金色と甘い香りが特徴です。また、新しく非加熱圧搾法(低温圧搾法・コールドプレス)による椿油の開発にも成功し、「ピュアプレミアム」が完成しました。ほぼ無色で香りもほとんどなく、肌への浸透が早い、高品質な椿油「ピュアプレミアム」をベースに、商品開発をしています。
昔ながらの椿油(加熱圧搾法)ついて詳しくはこちら
新しい"生搾り"の椿油(非加熱圧搾法)について詳しくはこちら
椿油(つばき油)は、ヤブツバキ(学名:Camellia japonica)の種を搾ってえられる植物油です。ヤブツバキは日本固有の品種で、北海道を除く日本のほぼ全域で自生しています。「桜島の椿油」は、桜島産のヤブツバキの種のみを使った、国産のつばき油です。椿油は、オレイン酸の含有量が植物油の中で最も高い約85%。オリーブオイルよりもオレイン酸が豊富で、「和製オリーブオイル」とも呼ばれる所以です。オレイン酸は人の肌の油(皮脂)の多くを占める成分で、椿油が肌や髪になじみやすいのはオレイン酸のおかげだと考えられています。椿油にはリノール酸などの酸化しやすい不飽和脂肪酸が少なく、ビタミンEも含まれているため、酸化しにくいのも特徴です。また、軽い紫外線防止効果があり、中波長紫外線(UVB:290〜320nm)を吸収することがわかっています。
私達日本人は、はるか昔から食用や薬用、髪や肌のお手入れ用として、また灯などの燃料や鉄製品の錆止め、木製品の乾燥によるひび割れ止めなど、様々な用途に椿油を使ってきました。その歴史は奈良時代まで遡ると言われ、「続日本紀」によると遣唐使で日本からの献上品としてたびたび唐へヤブツバキの種を持って行ったとされています。また、江戸時代の文献『百椿集』(安楽庵策/著)では、椿油について「実ハ油トナッテ灯用・食油・髪油トナル」と書かれており、椿油が人々に愛用されていたことが伺い知れます。しかし、海外から安い油が輸入されるようになって、椿油は次第に使われなくなっていましたが、最近は消費者が安心安全で天然のものを選ぶ傾向にあり、椿油の良さが見直されてきています。
※参考文献『椿しらべ』安達トウ子/著(講談社)
SAKURAJIMA TSUBAKIの椿油は、2種類の製法の椿油をもとに商品展開をしています。昔ながらの椿油は、ヤブツバキの種子に熱を加えて搾られます。(加熱圧搾法・高温圧搾法)透明で黄色味を帯びた油で、微かに芳ばしい香りがあります。桜島の椿油 20ml、桜島の椿油 100ml、桜島の食用つばき油 180gは、このタイプの椿油です。近年、熱を加えすに油を搾る、生搾りの椿油も登場しました(非加熱圧搾法・コールドプレス)。ほとんど無色透明で、香りもほとんどありません。熱を加えないため搾れる量が少なく、昔ながらの椿油と比べて希少です。お肌につけるとさらっとした使い心地で、保湿効果は2倍(鹿児島大学皮膚科監修)となることがわかりました。桜島の生搾り椿油 ピュアプレミアム30mlは、このタイプの椿油です。桜島つばきハンドクリーム、桜島つばきネイルオイル、桜島つばきリップクリームにも生搾りの椿油が使われています。
「桜島の椿油」は、桜島産のヤブツバキのみを使った、国産100%植物油です。椿油は、オレイン酸の含有量が植物油の中で最も高い約85%。酸化しにくいオイルで、約6%ビタミンEも含まれているため、軽い紫外線防止効果もあります。
人間の肌の皮脂に近いオレイン酸を多く含む椿油は、肌馴染みがよく、しっかりとお肌の保湿をしてくれます。オレイン酸は、体内で合成もされますが、直接塗布することでより効果的に皮脂を補い、水分の蒸発を防ぎます。角質層の「バリア機能」を整え、乾燥肌の強い味方です。※オイリー肌の方でもお肌の状態に合わせてお使いいただけます。
弊社には2種の椿油があります。昔ながらの椿油(加熱圧搾法)と新しい“生搾り”の椿油(非加熱圧搾)です。加熱圧搾の椿油は、搾油した椿油を濾過することで従来の特有の香りを最小限に抑えました。非加熱圧搾の椿油は、1粒1粒種を選別し、良質な種だけ使用。時間をかけて沈殿や濾過を繰り返した高品質の椿油。用途に応じて、椿油を選べるのが魅力です。